地域工務店 SWOT分析の活かし方

 SWOT分析とは、自社が持つ強み(長所)と弱み(課題)、外部環境の機会と脅威を記載し、それらを組み合わせることにより、経営戦略を検討する手法です。個人のキャリアデザインから会社の戦略立案に至るまで、広く普及しているフレームワークです。

 まず、自社が持っている資源の中で強み(長所)と弱み(課題)の洗い出しをする→次に、自社を取り巻く外部環境の中で機会となる追い風と脅威となる向かい風を書き込む→それぞれの組み合わせを通じて、どのような対策を打てるか考える、という手法です。シンプルなようで、固定観念が入ったり、組み合わせによる考察が簡単ではなかったりするフレームワークですが独自固有の長所を洗い出したり、環境変化を押さえながら参入すべき領域を見出したりする上で有効な手段の一つです。

地域工務店のSWOT分析例(リフォーム・リノベーション業界) 

・強み

 注文住宅を通じて蓄積した豊富な建築知識、業界経験があり、大規模なリノベーションや難解と言われる古民家再生への対応力がある(基礎補強への対応力等)。

・弱み

 反面、顧客創造、マーケティング発想や営業面での仕組みづくりが弱みです。社長が営業の第一線で活動している例も多く、人材も不足している点、デジタル化への遅れも弱みとしてあげられます。

・機会

 ストック型社会の到来。人口が減少していくにも関わらず、リフォーム市場は6兆円から7兆円規模で堅調に推移することが予測されています(2022年度6.9兆円と予測)。空き家率の増加やカーボンニュートラルという国際的な要請もあり、国策の後押しも期待されます。

・脅威

 地方を中心とした人口減少、新築市場の縮小、ウッドショックによる木材不足や資材全般が高騰傾向にある点、職人不足、さらに競合の存在があげられます。

 以上、4つの枠に整理して終わるのではなく、弱みは克服する可能性を探りながら、「強みである○○を活かして、○○という成長分野に本格参入する」(強み×機会)という組み合わせで、集中特化すべき最適な領域を選んでいただくこと、そして、「強みである○○を活かして、○○という脅威を機会に変える」(強み×脅威)といった組み合わせを通じて、差別化し独自ポジションを築くヒントにしていただきたいと思います。

この記事を書いた人

コダリノ