今回は「二代目経営者」というテーマです。特徴として、当てはまらないケースも実際に目にしてきましたし、一律で分けることに無理があるのは承知の上で、これまでの出会いを通じての傾向を記載したいと思います。
<創業者のイメージ(70代が中心)>
・ボス(カリスマ)的な存在で先頭に立って引っ張る
・ストイックとハートフルのバランスが良い人は特に強い
・熱量、気概にあふれ(立命で創業)、社員をまき込むパワーがある
・決断スピード、直感、優れた感性を持っている
・一方、社員は指示待ち型になりやすい
・第一線から離れるタイミングが難しい
<二代目のイメージ(40代が中心)>
・温室育ちで経験値が不足ぎみ(宿命で承継)
・まき込むパワーは弱いかもしれないが「応援され力」がある人も一定数存在
・創業者を否定し、自分の存在意義を見出そうとする思いが強すぎると空回りする傾向(親子で感情的に口論することも少なくない)
・創業者の欠点を補い、融合できると強さを発揮する(暗黙知を言語化する、見える化する、育成システムを構築する、データ経営、DXなど)
・自身は併走型、支援型のリーダーとなり、自律型社員が育つ環境をつくれるポテンシャルがある
そもそも、時代背景も違えば、育った家庭環境も違うため、当然、性格(強み)はもちろん、価値観、使命感、道徳観も異なります。
ビジネスモデル、経営手法としては、創業者の時代は、経済的な面だけでなく、業界が成長期だったため、成立していたと見受けられるケースもあります。マーケティング、ブランディングに対する意識が十分でなくても、チラシをまいて、属人的な営業により一定の顧客創造ができていていた時代から、ライフサイクルが成熟期、安定期、さらには人口減少フェーズに入り、人材採用、育成面も含め、いかに高い次元でそれらを構築できるか、大きな分かれ目になっています。
上記に加えて、特に社員が数十名までの中小企業なら、創業者の奥様(グレートマザー)が仲介役として機能しているどうか、または、二代目の奥様(心をともにする存在)が社内にいるかいないか、それぞれの影響力も事業承継において、見逃せない要素です。
いずれにしても、同族経営は長寿経営に通じるという考察もある中、お互いの相違点を受容し、「保守7:革新3」のイメージで融合しながら、勝ちパターンを見出していただきたい、それこそが「不易流行」の本質ではないかと常々考えています。
創業者が持つ偉大さや誇り、後継者の引き継ぐ覚悟に対する敬意をいだきながら、引き続き、戸建・性能向上リノベーション事業の発展に向けて、最善の提案ができるよう鋭意努めます。