地方のリノベーション事業 軌道に乗る会社 ~企業は人なり~

 地方エリアから着実にリノベーション事業の事例が増えています。ここ数年で事業年商10億円に到達する例も出てくる可能性を強く感じます。今回はこうした地方の事例として4社取り上げ、さいごに考察を記載しますので、ぜひご一読ください。

Y社(九州エリア)

・リノベーション事業年商4.6億円

・専門事業部、専属スタッフ(設計、施工管理、営業)

・性能向上リノベーション+木のデザイン

・県産材が標準

・リノベーション全棟でC値測定

・年間通じて、毎月販促企画

H社(北日本エリア)

・リノベーション事業年商5億円

・専門事業部、専属スタッフ(設計、施工管理、営業)

・WEBのみで集客

・性能を押さえた上で女性デザイン、インテリア提案が強み

・年間通じて、モデルハウス、モデルルームの仕入れ計画+お客様宅完成見学

・コストバランスを徹底し、一定のリノベ案件を確保し、数ヶ月で売却

W社(東海エリア)

・リノベーション事業年商3億円(4億円ペースで推移)

・リノベーション専門会社、専属スタッフ(設計、施工管理、営業)

・性能向上リノベーション+木のデザイン

・県産材、国産材、漆喰が標準

Y社(中四国エリア)

・リノベーション事業年商5億円

・リノベーション専門会社、専属スタッフ(設計、施工管理、営業)

・モデルハウス(常時2棟展開)+お客様宅完成見学

・性能向上リノベーション

・珪藻土を採用

 今回は、上記4社の共通点の中で今回は「専属スタッフ」の存在に焦点を当てたいと思います。

・分業制

 大前提として上記3社には、新築からのコンバート含め専属スタッフが存在し、分業制が機能しています。さらに、自社の強みを共有し、あらゆる顧客接点で一貫して活かされている点も特徴です。

・マーケティング担当者

 また、SNSの発信、ブログ・コラム更新、広告・広報全般を内製化している点も特徴です。

 ブログは特に施工中ブログが有効です。施工中ブログは独自性がある内容を打ち出しやすいのと、潜在客の共感も得られやすいというメリットがあります。ブログのライティングを外注するのも選択肢の一つでしょうが、オリジナリティが欠けることが懸念点です。中には複数の会社のブログ文章が一字一句同じという例もあります。それではGoogleの評価が下がり、デメリットが大きいです。内製化できれば自社の提供価値に合せた内容になり、更新の量産にも適しています。

 上記事例の中には、左官、タイル、基礎工事の内製化ができている例もあり、競争力を高めるために工事業へのシフトも大きなテーマです。事業の設計図があって、全体設計のイメージがあったとしても、それを実行に移す人材がいなければ前に進みません。世の中に、業績アップにつながるビジネスの設計図は豊富にありますが、それを支えるのは人であり、人の確保に本気で取り組めるか、建築のプロとして育てることにどれだけ使命感を持ちエネルギーを注げるかが大きなカギと言えます。

この記事を書いた人

コダリノ