リノベ市場の関心度は日に日に高まってきており、関連記事も増えています。現時点で私は持ち家リノベに特化し、中古+リノベ案件は副次的に案件として混ざってくるという位置づけで、モデルハウスは再販(売却型)というかたちを提案していますが、近年、類似コンセプトの同業他社の参入も増えつつあります。
・地域一番店ならフルラインという方向性
私のご支援先には地域でリノベ事業の先駆者という例も存在しますが、追随する企業の参入により、市場の活性化が期待されます。ポジショニング戦略という観点では、エリアにおいてパイオニアというポジションであり、自社が展開するリノベ市場全体をカバーするフルライン戦略を取ることがセオリーです。また、規模の経済が効きにくい領域ということもあり、価格より商品力(耐震、断熱、耐久性、デザイン、素材等)の高さが大きなカギとなります。
・後発企業は差別化ポイントを見出そう
一方で後発企業においては、何らかのかたち差別化を図ることが基本とされています。先行企業をベンチマークして模倣するかたちを取ることが多いようですが、それでは同質化してしまい好ましくありません。特に「新築そっくりさん」を模倣し、相見積りのテーブルにあがったとしても、ブランド力で負けてしまうことが多いでしょう。「新築そっくりさん」をベンチマークするなら、同時に複数の先行事例の各要素を分解して、リノベ事業の必要条件を見極めること、その上で差別化ポイントを見出すが肝要です。
・商品力(耐震、断熱・気密、間取り、デザイン、コストバランス)の自社分析
5点 リノベ業界トップレベル
4点 明らかな差別化要素
3点 業界の普通レベル
2点 普通より、やや劣るレベル
1点 大きく劣っているレベル
このように耐震や断熱など各要素において、できる限り主観を取り除き、数値化して見極めることをおすすめしています。
大商圏ならデザインに特化して展開する先行事例が多い中、性能向上に集中特化して展開するという戦略は(リノベ業界なら)有効です。商圏人口20万人、30万人程度の一般的な地方都市なら、いずれかでなく強みを軸にフルラインで地域一番化に成功している例が増えています。
以上のように、先行か後発かという観点だけでなく、商圏人口も押さえて、最適な方向性を見極めることが大切です。