今回はこのような方にご覧いただきたい内容です。
□「施工品質や建築知識には自信があるが、伝え方に課題を感じている」という方
□「リノベ見学会チラシが当たらない、リノベサイトのコンバージョンが増えない」という方
□「これからリノベを強化していきたいがどのような考え方で発信すべきかわからない」という方
以上、伝えるということにおいて、何らかの課題をかかえている方がいらっしゃるかと思います。そこで今回はこうした方を想定して、チラシやYouTubeなどアウトプットする際に、気をつけるべきポイントを述べていきたいと思います。もちろん、私自身がかかわった販促企画がすべてうまくいくわけではありませんし、時期的に集まりにくい、見学会(建物)の特徴が見出しにくく、打ち出しが難しいという様々な要因はありますが、日々の発信のヒントになればと考えています。
・リノベらしさとはビフォーアフター
そもそも新築(持ち家)市場に比べて、リノベーション市場は感覚値として8分の1程度ではないかという印象を持っています。いくら新築が縮小しているとは言え、歴然とした差があると常々感じます。であるならば、リノベに関心のある限られたエンドユーザーにぱっと見てリノベの企画だと認知される内容にしなければなりません。新築の企画と思われないよう、リノベらしさを打ち出すことは大切な視点です。リノベらしさとはビフォーアフターの変化、特にビフォー共感は見落としがちではないでしょうか。かつて視聴率18%と人気番組だった「劇的ビフォーアフター」をたまたまJAL機の機内で視聴したのですが、ビフォー共感、アフターの解説もすべてビフォーアフターが基本で変化を主軸に伝えている様子を改めて目の当たりにしました。アフターのデザインで勝ち上がる会社はごくわずかでデザインリノベという領域は商圏人口という条件も満たす必要があります。ぜひビジュアルや暮らしのビフォーアフターを打ち出しましょう。そうした打ち出しは、会社が主語でなく、お客様が主語となり、共感を得やすくなるはずです。
・企画としてのインパクト
ある大手リフォーム会社出身者とお会いする機会が時々あります。意見交換を通じて特に記憶に残っている一つに、「築年数は古ければ古いほど反響が多い」という声でした。築年数もリノベらしさであり、欠かせない要素です。またインパクトがあるかないか、写真の選定も重要です。ぜひ築年数、インパクトのあるビフォーアフターといった視点でアウトプットに活かしてもらえたらと思います。
もう昔の話ではありますが、私が小林製薬に勤務していた際、社内には「人は店頭においてパッケージを見る時間はわずか0.4秒で、瞬時に何の薬かわかるようなパッケージにしなくてはならない」という共通した視点があったことを思い出されます。今回、アウトプットという偏った論考かもしれませんが、当時からさらに情報量が増えている今、なおさら重視すべきことではないでしょうか。特に、売ることより、造ることに真摯な工務店さんほど、新築事業とリノベ事業とで同じこと異なること(変えるべきこと)を見極めながら、この機会に、自社のリノベ事業のアウトプットが新築のように見えていないか振り返っていただくきっかけになればと思います。各地域において、若干でも市場活性化につながれば幸いです。