先日、出張の合間にスターバックスコーヒー鹿児島仙巖園店に立ち寄る機会がありました。
・島津家の金鉱山事務所として開設された有形文化財をリノベーションし、2017年オープン(有形文化財への出店は北野異人館、弘前公園店などがある)
・鹿児島の歴史と現代の融合というテーマ
・注文カウンターは薩摩切り子に通じるデザイン
・金鉱山事務所にちなんだ、ゴールドを基調とした照明
・壁に掛けられたパネルには鹿児島の歴史と海外のコーヒー産地の写真が掲載
・2階中央のテーブルは鹿児島県産材を使用
隣接する仙巖園、夏は目の前の海水浴場からの集客力も見込みながら鹿児島の歴史にちなんだディテールへのこだわりが印象深いです。こうしたミッションをベースに地域とのつながりを育み共感を得ようとする取り組みは地域のシンボル的な神社や観光スポットに隣接した店舗では特に重視されるようです。
以前読んだビジネス誌には「店舗開発は社内のデザイナーがその町の歴史や文化を調べることからスタートする。店舗が完成した後も社内のデザイナーからの店舗パートナー(スタッフ)にどのような思いでこの店舗をデザインし、仕上がったのかのストーリーを話す機会を設けている。これを『ギフト』と呼び、社内では大切にしているイベントだ」と書かれてあり、地域に対してリスペクトをいだきながら、情緒的なつながりを重んじる姿勢が興味深いです(「ハーバードビジネスレビュー(パーパス・ブランディング)」。実際に各店舗に訪れてみて、こうした一つひとつが顧客ロイヤリティ、ブランディングにつながっていくのだと実感しました。
リアル店舗の存在意義が見直される中、地域の特性、地域の気候を知り尽くした工務店さん、リノベーション専門会社さんの店舗づくりにおいて示唆を与えてくれていると思います。