リフォーム業界のライフサイクルも成長期から成熟期、あるいはその先へと変化しました。同時に、総合リフォームから専門店へと業態が細分化していっているのが現状です。そこで今回は代表的な業態、価格帯ごとのポイントを見ていきたいと思います。
・修理専門
修理に関しても明瞭価格は有効ですが、スピード対応は優位性の大きなポイントです。あまり目立たないですが、先行事例は限りなく豊富に存在します。販促手法によっては損益分岐点が上がるため給湯器など単品工事を品揃えする必要があります。
・水まわり専門
「水まわり(品揃え、ディスカウント)のメニュー型チラシ→水まわりの情報が豊富なサイト→水まわり展示型の店舗」というかたちこそが、一貫性がある顧客接点(フロントエンド部分)と言えます。ですので、大量仕入れができるような量販店や、多能工によりコストリーダーシップをとれるような会社は競争優位性が高いと言えます。
組織的には新卒の即戦力化が機能しやすかったり、キャラクターを設置し、親しみやすさを演出したりするのもこのあたりの価格帯の特徴です。商品価格と基本工事費をパック価格にすることはお客様目線でもありますし、営業担当者にとって売りやすい仕組みでもあります。
・外壁(屋根)塗装専門
水まわりに通じるものがあり、「外壁、屋根のメニューチラシ→外壁、屋根のサイト→外壁、屋根の情報館」というかたちが基本形です。かつて、チラシ反響率が高かったエリアでも徐々に率が下がってきています(WEB頼みとなりそうですが、WEBに関しては一定以上の商圏規模が必要です)。小商圏でも類似コンセプトの競合が出てきており、難しい局面を迎えている印象です。
・LDKリフォーム専門
外壁(屋根)塗装専門から、戸建リノベーション領域までは価格帯がかなりかけ離れていて、その間で専門特化の可能性を探ることは理にかなっていると感じます。単品工事では差別化しづらいと考えるハウスメーカーの多くが新築オーナー向けに狙っている領域でもあります。
「LDKのチラシ→LDKのサイト→LDK(モデルルーム)が体感できる店舗」という流れを構築することが入口として前提となります。
・戸建リノベーション専門
地方では「見学会チラシ→リノベサイト→リノベーションモデルハウス(または施主宅現場)」が整合性があると言えます。大都市圏では「リノベサイト(+SNS)→スタジオ」のような事例が多く見られ、高い次元である程度案件が集まる会社が決まってきています。
ご存知の通り、単価2000万円、性能向上がともなった戸建リノベーションを検討する顧客像(特にシニア層)がどのようなイメージを持つ会社に依頼したくなるか。一定のデザイン性は必要ですがなんと言っても建築知識、経験や実績の豊富さが信頼につながります。
組織面では、マンションリノベはともかく、戸建のような構造がからむ場合は、建築知識が信頼の源泉です。したがって、経験が必要で組織面では若手というより、ベテラン、熟練という要素のほうがフィットしやすいです。若手で活躍する人材も存在しますが、営業なら、新築部門のベテラン社員をコンバートする、少なくともメンテで経験を積んでからリノベ担当にするといった配属イメージが現実的です。特にメンテ経験者は戸建の劣化状況に対峙してきた経験が説得力となるでしょう。
以上、それぞれの工事、価格帯ごとのポイントを見極め、集客設計することが、より確度の高い反響につながります。
(新建ハウジングDIGITALで上記に加筆・図表など刷新し発信予定)